コルビは森の中にいる何かを追いかけて走っていた。その速度はとにかく速い。途中で立ち止まり辺りを見回した。そしてある一点を睨んだ。
「ははは・・・・ご苦労さん。君もこりないねえ。」
聞き覚えのある不気味な男の声。コルビの前に茶髪で素晴らしい美貌を持ち上品な服を着た不気味な冷笑を浮かべる若い男が現れた。
「ケスト・・・」
コルビが呟いた。前は真っ黒だった目は今は紫と言っていい。
「いくら君が第四隊指揮官でも俺は止められんぞ・・・分かって後を追っかけてきたのか、呆れるよ・・・」
ケストが呟くように言う。
「メトルイ アルカメン サラクス」
コルビが呪文を唱えながら片手を上げて振り下ろすとむちのようなグレーの光がケストに襲いかかったが、ケストの目の前に来たところで消えた。ケストは大きな岩を魔法で浮遊させて投げつけたがコルビはそれを魔法ですり抜けてケストに向かって飛行しながら手できるような仕草をした。ケストはバックステップでよけた。後ろの木が一本切り倒されただけだった。
ケストは空中にいるコルビに向かって紫の光を何個も投げつけ、コルビは右へ左へよけたりグレーの光で防いだりした。グレーの光が一発ケストに当たったがケストは少しひるんだだけであまり効果はなかった。コルビは舌打ちして体の前で腕を交差させて開くと横長のグレーの光がケストめがけて飛んでいった。それはケストの胴体をすっぽり包み込んで身動きをできなくしたががケストの抵抗のせいでそれはすぐに壊れてしまった。
この戦闘は一瞬の早業だった。魔術というのは扱いにくいものでこれだけ素早くしようと思うと腕がたたないとまず無理だ。ケストは急に突撃した。コルビは素早く横の方に移動しながら片手を外側に振ってグレーの光を投げたがやはり目が紫のケストにもたらす効果は少ない。コルビは両手でグレーの光線を出しケストは紫の光線を出した。両方の光線がぶつかり合い互いに押し合ったがこれでは勝負がつかないと悟り光線を出すのをやめた。ケストはめくらましの光を出しその光がおさまった頃には姿を消していた。
コルビは尖った石の欠片を拾って握りしめた。血がにじんだがその傷は一瞬で治った。コルビはその様子をじっと見つめた。不死身のわが身を確かめるように。
戦場後と化した森には一人の旅人だけが残された。
<解説>
彼女は不死身なのです。どうにかしてケストを止めようとしますが彼は日々強くなっていってるので時が経てば経つ程それは難しくなっていくわけです。
もう登場人物が解からなくなりつつあります。今回はあの!不死身さんのそっくりさんも登場ですか?!
双子登場させようか迷ってるんですけどどうしよう。今度キャラクター・用語解説するから。