お久しぶりです。これはこの間撮った写真。構図がおかしいかな?まあ、何枚か撮った写真の中でいちばんいい物を選んだつもりです。小説に限らず写真にもコメントを。前回のエントリーの一番下の方に追記がしてありますのでよろしく。
※今日のお話※
ガルム放浪記 第六話影の気配
ガルム達に忍び寄る影。そして由紀の不安。一体何があるというのだろうか。
次の日の朝、コルビとガルムは宿屋を出た。ガルムはグレーのジャンバーを着ている。コルビは黒くて長い髪を上半分を後ろでしばり、下半分を降ろしていて、(と表現すればいいでしょうか、この髪型)いつもの真っ黒な服装に黒いマントを着ている。フードははずしている。彼女はきれいなエメラルドグリーンの目をしている。あたりは雪が積もっている。
ガルムはバイクに乗って走っている。その側をコルビは空中を飛行している。彼女は腕利きの魔術師なのでこの位難なくできる。
「その増田由紀って子、風使いなの?」
コルビが言う。
「まちがえない。姓は増田だし、あの風をつくり出して自由に操る能力は風使いとしか思えない。昔、増田と名乗った風使い・・・風使いってのは増田氏の他には存在しねえが・・・の子孫だろう、きっと。」
ガルムが答える。二人は川辺に着いた。
「少し休もう。」
ガルムはそう言いながらバイクを停めた。もう正午だ。朝から走りっぱなしだった。コルビも着地する。コルビは宙であぐらをかいて瞑想するポーズをとり、目を閉じて瞑想を始めた。また瞑想か、今朝もしただろ、とガルムは思ったが邪魔すると彼女が怒るので黙っている。しばらくしてコルビは瞑想をやめて地面に座った。
「あの人間界の終わりの時が近いわ。増田って子は人間界を助けられるかもしれないわね。」
コルビが言う。人間界の終わりの事は魔界の人なら誰でも知っている。それは次の通りだ。
魔界と人間界の共存が危うくなる時それは始まる。闇の世界の魔物は人間界に攻め込み生きとし生けるものを殺し、人間界のあらゆる物は破壊される。その破壊を止められるのは運命の風使い。魔狼が風使いを助ける。
「その魔狼は俺だって事は分かってる。ケストがあんなに由紀を狙うって事は彼女が運命の風使いじゃねえのか。ケストは邪神で闇の世界の出身だから人間界を滅ぼす奴らの一人なんだし。いや、そもそもあいつが人間界を滅ぼす張本人だ。」
ケストは邪神であってそこら辺にいるチンピラではない。ガルムにコルビは答えずに出発を促した。目指すは星山村だ。コルビは全長1メートル位のおおきなカラス(変身しなくても彼女の身長は180センチか190センチはある)に変身した。これも魔法だ。ガルムもバイクに跨りエンジンをかける。とその時、茂みが、がさがさと音をたてたのをコルビは聴きのがさなかった。彼女の五感は人間より遥かに優れている。そして第六感も。コルビが警戒したのを見てガルムはバイクのエンジンをとめた。
「どうした?」
ガルムが言う。
「いや、茂みに何かいるわ。音がしたし、気配がする。」
コルビは言うが、間もなく何かがいるような気配は消えた。
「後をつけられてるな。」
ガルムが言う。二人は出発した。
それから何日も経つ。二月の星山村。生徒たちが帰っていく星山中学校。由紀はなんとなく不安そうな顔で一人生徒玄関前に立っていた。長いため息をついて家に向かって歩いた。空に鳶が飛んでいる。ピルルルルー、と鳴いた。由紀は思わず身がすくんでしまった。斬殺鬼・・・ケストの冷笑が脳裏をよぎる。だが今見た鳶はただの鳶だ。
「考え過ぎだって。」
由紀はそう呟いてまた歩きだした。由紀の不安はケストに襲われたのは何かのほんんの序章でこれからもっと大変な事がおきるのでは、というものだった。
「ただいまー」
由紀は気だるそうに挨拶した。その晩は特に、いつにも増してケストの事、自分の風を起こせる特殊能力の事が頭から離れなかった。特殊能力が暴発して車を吹きとばしてしまった事すらある。最近の出来事だ。幸いその場には誰もいなかったし、人が隠れて覗ける所もなかった。また、その後風の刃(由紀の特殊能力の一つ)で木を真っ二つにしてしまった。母が飛ばした冗談にも笑う気になれなかったがぎこちなく笑っていた。その日の夜中、ベッドの中で悪夢にうなされる由紀の姿があるのだった。
雪景色の写真ですなぁ。これぞ冬!って感じでしょうか。物語もいよいよ怪しい世界になってきましたな。しっかし・・・足が・・・痛い・・・だるい・・・ぐっ・・