2006年1月アーカイブ

街の夕暮れ

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blog79
これは例の金婚式の日に撮った写真。街の夕暮れって感じっすねえ。夕日を見ながらため息ついてみたり。一日仕事や学校行ってると夕方には疲れてため息ついてしまう・・・。まあ、帰ってくるのは夕方ではなく夜中って方もいると思うけど。

※今日のお話※
 ガルム放浪記 第五話 旅の途中
さて、このお話から異世界の事が語られます。

 霧が晴れた山道をバイクで走る人間がいる。少年だ。シールドが黒くて他の部分は白いヘルメットをかぶり、クリーム色のズボンにグレーのジャンバー。十代半ばかそれより下だ。山道を下へ下へと走って行く。やがて緑に囲まれた集落に着いた。
「はあ・・・やっと着いた。」
この地に足を踏み入れる人間はほとんどいない。いるのはこの集落の人間と、動物達位のものだ。行ってみようとする人もたくさんいる。だが、実際に行けたひとは一人もいない。例外を別にして。
 集落の出入口には小さな詰所があった。審査官はいくつか質問をして少年に集落に入る許可を出した。ガルムと名乗った少年はバイクで走って行った。
 ガルムは馴染みの喫茶店に訪れた。バイクを停め荷物を止めてあるネットに挟まった黒い鍔つき帽をかぶり喫茶店に入る。そこにいる客達は、犬のような耳がついている者、手に鋭い鉤爪がある者、猫のような体に人間のように服を着ている者、等々、人ならざる者達が集まって思い思いの事をしていた。その人ならざる者たちは魔界と呼ばれる世界から来た者たちだ。その世界には妖怪や悪魔、魔界の人間、超人族と呼ばれるとても美しい不老不死の種族等が住んでいる。
 店の店主にガルムは紅茶を注文した。
「しばらくだなガルム。」
店主が言う。
「やあ、オリバート。」
ガルムにオリバートと呼ばれた店主は紅茶を出した。
「相変わらず怪しいな、カラスと言う呼び名だったっけ。また奥にいる。」
ガルムが言う。店の奥にいるのは黒い長ズボンに長袖の服、それと黒いマントを着た女性だ。一人で座って何か飲んでいた。
「あの真っ黒な服をどうにかすればいいんんじゃないのか。」
とオリバートが言う。その時カラスと呼ばれている女性は立ち上がって入口の方に歩いていった。ガルムの後ろで立ち止まり顔を少し彼の方へ動かした。彼女の言いたい事がガルムには分かった。(一緒に来るかどうか尋ねた)ガルムは急いで紅茶を飲み干してお金を払ってカラスと一緒に店を出た。
 「久しぶりね、ガルム。」
カラスが言う。
「そうだなコルビ。」
彼女はコルビという名前らしい。彼女の黒いマントを留めているブローチは赤くて丸く、カラスのシルエットが描いてある。
「お前かなり程怪しいぞ。」
ガルムがバイクを押しながら言う。
「あなたは友達なんだから不審者と勘違いしたりしないわよね。」
コルビがいつもの無表情で言う。
「まあ闇の魔術師なんてそんなものよ。」
コルビは付け足した。魔界は二つの世界に分かれていて一つは光の世界と呼ばれる超人族や魔界の人間など、主に善良な者達が住む所、そしてもう一つは闇の世界と呼ばれる悪魔や凶暴な妖怪など、主に悪が住む所だ。闇の魔術師とは闇の力を使う魔術師を言う。あまり善良といえるような力ではない。むしろ悪の対象とされる事が多い。コルビは本当に陰気だ。
 その日の晩二人は宿屋に泊まった。
「あなたの父は魔狼だものね。」
コルビが言う。二人は部屋でくつろいでいる。コルビはいつもは後ろでまとめてある黒くて長い髪は今はおろしている。彼女は青ざめたような白い肌をしている。その白さは異常だ。額には暗い赤色の透き通った色をしている、宝石にも見える石が埋め込んである。(これはおしゃれではありません)
「母は人間だけどな。叔父が族長の座を狙って父を殺し、親戚も殺された。俺と母は殺されなかったが母は悲しみのあまり自殺・・・」
ガルムは暗い過去を改めて話すのだった。コルビは自分の過去を誰にも語ろうとしない。そして二人の旅人はそれぞれの旅の話をするのだった。それにはもちろん由紀の話もあった。
<解説>
とにかく魔界とは妖怪や悪魔やその他の(人間もいますが)人ならざる者がいる所です。カラスことコルビの名前の由来ですが、コルビとはラテン語でカラスという意味です。ちなみにガルムの名前は北欧神話の冥界の番犬ガルムから引用しています。恐れという意味があるそうです。

よく分からない写真集

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今年初更新です。しょっぱなからネタ切れという訳でよく分からん写真集をお届け凍ます。
bun104.jpg
エステルは浮いてません。(←テーブルの上にいる)メレスは置物じゃありません。

bun105
エステル飛び立った瞬間。

bun106
エステルのくちばしに付いている物体はビタミン豊富の小鳥用の甘い味付けのエサ。メレス、あんまりくっつくとエステルが怒ります。

<解説>
以上、よく分からない、というか意味もテーマもない写真集でした。

前回に続く雪の写真

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blog78
この間撮った写真。いやあ、自信作なんですけど皆さんはどう思います?きれいじゃない?(分かった分かった)空がきれいですね。それに何となく構図おもしろいし。(思いっきり自画自賛)

※今日のお話※
ガルム放浪記 第四話 しばしの別れ
最近この小説の話ばっか・・・・真面目に予告しよう。さて、かの殺し屋も去り、また、ガルムも旅立ちます。

斬殺鬼ことケストが去っていった体育館でガルムはぐったりとした由紀の前にかがんでいた。
「ねえ今のこと誰にも言わない?」
由紀が言う。当然特殊能力のことだ。
「絶対、誰にも言わない。」
ガルムは約束した。ポケットから何かを取り出した。入れ物だった。中にはクリーム状の物が入っていた。ガルムは由紀の制服の袖をまくり上げ包帯を取った。傷は赤く腫れ上がり血がにじみ出ていた。
「こ、これは・・・」
ガルムははっとした顔になったがあのクリーム状の物を傷に塗った。
「これを塗ったことは内密にしといてくれ。奴のナイフには毒があるんだ。あの毒のことを知る者はほとんどいない。これは解毒剤なんだ。」
ガルムが言った。由紀が頷いた。包帯を戻し、一度取ってキャップストラップにぶら下がった黒い鍔付き帽子を目深にかぶり由紀を抱きあげて体育館の裏口に向かって歩きだした時に警官達がどかどか入ってきた。ガルムは完璧無視して歩いていた。
「不審者はどこに行った?」
と警官。
「消えた。」
とガルム。彼は裏口から出て生徒や先生がいるグランドに入った。由紀はガルムに抱かれていたせいでなんとなく恥ずかしかった。生徒達はそれを見てひそひそ話だした。
「増田大丈夫かよ。ていうかあいつ誰?」
由紀の同級生の周(しゅう)がおなじみのメンバー健太(けんた)と凉(りょう)に話していた。日常で由紀や美紀に嫌味っぽくて彼女を困らせてばかりだがこういう時になると心配する。やはり保育所の時から一緒だからだ。
ガルムは由紀にもう旅に出ると伝えた。
「また会えるかな?」
由紀は心配そうに言う。
「そのうち会うさ。」
旅人の少年は優しく微笑んだ。学校の横に停めてあるバイクを取りに行った。バイクの後ろには旅荷物が積んである。帽子を荷物を固定してあるネットにはさみジャケットのチャックをしめてグローブをはめ、ヘルメットをかぶった。白いヘルメットでシールドは黒くて外側から顔が見えないだろう。
「ちょっと待って!まだ行かないで!」
警官が引き留める。事件に関わっているからだろう。
「彼に指図できる人は滅多にいないと思うよ。」
由紀は自分を抱いている養護の先生の目も気にせずに呟いた。
「これ以上の長居は無用だ。悪いな。あばよ!」
そう言って彼はエンジンをかけてさっさと行ってしまった。
「困りましたねえ。」
と警官。それよりバイクに乗っていい歳なのかからつっこむべきだ、と由紀は思った。身長は160センチ程で14歳と自分で言っていたが16歳と言ってとおるだろうか?由紀以外彼はバイクに乗っていい歳なのか事実を知らないが由紀は彼の年齢を知らない事にするつもりだった。寂しさと、また会える予感とが胸をよぎるのだった。
その後由紀は少し学校を休んだがすぐに元気を取り戻して復帰した。ガルムが塗ってくれた薬のおかげだろうか。その薬の事を由紀は誰にも言わなかった。あの災難の二日以降はまた平和な日々が訪れた。
あれから一ヶ月以上が経つ。一人の旅人が朝もやがかかっている山の中をバイクで走っていた。もう一月なので雪が積もっている。
「由紀・・・・・」
旅人は呟いた。11月に訪れた星山村(由紀の住んでいる村の名前)の事を不意に思い出したようだ。その村にいた一人の少女の事を。少年だ。十代半ばかそれより少し若そうな。クリーム色のズボンにグレーのジャンバーを着てグローブをしている。少年はバイクを停止させ崖の下を見下ろした。下には緑に囲まれた集落の様な所があった。少年は再びバイクで走っていった。目的地を目指して。ガルム放浪記の序章は終わり、本番(と表現すればいいだろうか)に移っていくだろう。
<解説>
劇中で初めて由紀の村の名前が登場しました。これで無理矢理だけど季節感が合うな、うん。