今日の晩に窓から撮った写真です。今日は授業参観だったので休みは明日からなのでこのような題名にしました。窓の汚れが写っていますが窓がとても高い位置にあって掃除しようにもできないので仕方ないのでご了承ください。
※今日のお話※
ガルム放浪記 第一話 出逢い
前作ガルムの旅は話の収集がつかなくなったのでもう一回お話を初めから考え直しました。エラちゃんは小説家じゃないから最初っからいい作品は作れませんからね。ま、キャラクターや内容は前と似たようなものですが。ちなみに題名が「ガルム放浪記」に変わりましたがこれは仮タイトルのような物なので途中で変わるかもしれません。(テレビ番組じゃないよ)
あの日だった。私があの不思議な少年に逢ったのは。
最近いやなニュースがある。それは若い女の子が何者かによって殺害される事件が相次いで起こっているのだ。必ず斬殺されている。警察は同一人物の犯行と見て調査をしているそうだ。もう隣の街までその事件の魔の手が忍び寄っていた。学校でも集団で帰ることが呼びかけられていた。
「怖くない?鳶の斬殺鬼だって。」
山崎赤音(やまざきあかね)が言った。今は下校中だ。私は増田由紀(ますだゆき)。この人口が少ない小さな村の中学校の二年生で十四歳だ。
「なんで鳶と一緒に消えるんですかね。」
霧島美紀(きりしまみき)が言う。彼女は言葉使いが丁寧だ。
「鳶と一緒に消えるというよりは鳶はいるけど斬殺魔はいないって感じだと思うよ。」
私が言った。と、その時、暗闇から(もう十一月なのであたりはすっかり暗かった)ナイフを持った手が振り下ろされた。街灯の光を受けナイフが光る。
「ぎゃー!」
明らかに私を狙っていた。足がすくんで動けなかった。すんでのところで赤音が私の襟をひっつかんでぐいっと後ろに引っ張ってくれた。私はよろけて後ろに倒れてしまった。だがよけきれずに右の上腕にナイフがかっすった。少し深い傷だった。激痛が走った。血がにじむ。
「うまくよけたなあお嬢さん。」
そんな事を言いながら横向きにナイフで斬ろうとした。赤音にしがみつきながらあわててよける。体勢を立て直す暇もない。
その人は茶髪の痩せた若い男の人だった。目がくらみそうな美貌で高校か大学生ぐらいの歳に見えるが今の私には不気味な冷笑を浮かべた恐ろしい殺人鬼にしか見えなかった。黒真珠のように黒い目をしていて黒い長ズボンに青紫色のポロシャツの上から茶色いシャツ形の上着を着ていた。
その人がまた斬りつけようとしたその時ナイフを持った手を後ろから誰かが掴んだ。私達と同じ位の歳の少年だった。クリーム色の長ズボンにねずみ色のTシャツの上から黒いジャケットを着ている。目は光るような銀色をしていた。黒髪で、整った精悍な顔つきをしていた。
少年はナイフを持っている右手を右手で押さえて右足で相手の腹を殴った。茶髪の人はたまらず腹をおさえて後ずさりした。だがその表情にはどこか余裕がある。少年は相手を警戒して睨み身構えたままだった。
「おととい来いよ斬殺鬼さん。これ以上勝手にさせねえぞ。」
少年が言った。斬殺鬼と呼ばれた茶髪の人は悔しそうな顔をして
「俺は一度狙った獲物は逃がさない。お前は知ってるだろ。」
と捨てゼリフをはいて突然姿を消し、姿を消した場所から鳶が飛び立った。あのナイフはどこにもなかった。私は呆然と見ていたが腕の痛みで現実に引き戻された。
「うぅ、痛・・・。」
私は呟いた。
「由紀大丈夫?うわ!怪我してるよ。」
赤音が興奮を抑えきれない様子で言った。
「出血がひどいですよ。」
美紀が言ったとおりだくだくと血が出て制服(由紀の学校では女子はセーラー服、男子はがくらん)が血でぬれていた。
「ありがとう、あなた誰?」
私はあの少年に訊ねた。
「ガルムだ。」
短く答えた。
「ガル・・ムって名前なの?」
赤音が訊ねた。ガルムと名乗った少年はうなずいた。彼はこんな事が起きても冷静沈着で怖くもなんとも思っていないようだ。
「大丈夫だったんですか?」
美紀が言った。
「俺よりそいつはどうなんだ。」
ガルムが言った。
「怪我しちゃった。」
私はそう答えた。
「早く家に帰れよ。怪我してることだし。」
その後美紀と赤音、ガルムは家まで一緒に帰ってくれた。家に着くと母は私の切り傷を見てかなり驚いた。私は今まであった事を話し、このことは駐在所に(学校にも)知らされた。ガルムは自分は旅人だと私と母に話した。そして、私を襲った人が鳶の斬殺鬼と同一人物である事も。ガルムはどこかに消えてしまった。
ガルムには口で言えないほど感謝している。それにしてもガルムは一体どこの誰なのだろうか。私はガルムが自分の運命になにか深い関わりがあるのでは、と感じた。なぜだか分からないが。
<解説>
物騒な世の中ですねえ。