懐かしき冬

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あんたの所もう雪降ったんけ!いえいえ違います。これは去年撮った写真です。なんか山が光ってますね。それにしてもきれいだな。(←もう終わりかい。手抜きだなあ。)

※今日のお話※
 ガルムの旅 第二話
さて、次は突っ込みどころ満載の変なお話にならないようにがんばろう。
 彼は口数が少なかった。クリーム色の長ズボンにねずみ色のTシャツ、その上から黒いフードは付いていない薄めのジャンバーを着ている。そして、何より私が注目したのは銀色の目だった。グレーではなく光るような銀色の目。でもその美しい目の奥には計り知れないほど狂暴なものが秘められているような気がした。
 彼の名探偵ぶりには驚いた。推理で私の事を言い当ててしまったのだ。初対面の人にはわからないようなことを。
 土曜日私は彼と散歩に出かけた。山の中をガルムと歩いていた。いろいろと話していたが突然黙り込んで立ち止まった。
「どうしたの?」
「静かに。」
ガルムは斜め下をにらんでいた。そのときの彼は危険に備えて身構える狼のようだった。やがてさっと顔をあげた。荒っぽい足音が聞こえてきた。男たちの話声も。
「一体何なの?」
「チンピラだ。」
「このあたりにチンピラが出るなんて初耳だけど。」
強そうな、怖そうな男たちが姿を現した。
「おーやあ?ガルム君じゃないか。いつも一人のお前が珍しいなあ。」
リーダーのような男がからかい口調で言った。
「てめえ何してんだよ。こんな所で。」
ガルムが言った。敵意がむきだしだ。
「かわいい女の子だな。俺たちと来いよ。」
男が手を伸ばしてきた。
「やめろ!」
ガルムがその手をつかんでひねった。男はわあっと叫んで手を引っ込めた。
「ったく!何しやがる!やっちまえ!」
男たちが襲いかかってきた。ガルムは手から緑色の光のような物を出して戦っていた。何あれ?魔力?まあほとんど殴ったり蹴ったりしていたが。ガルムは敏捷で男たちは彼に触れることすらできない。どんな攻撃もあっさりよけてしまう。まるでこんなのはもう慣れている、いつものことだ、というようなかんじだ。あっさりかたずいてしまった。残るのはあのリーダーの男だけだ。
「こんなヘボの寄せ集めで俺が倒せるわけねえだろ。なめてんのかケスト。」
あの男はケストと言うらしい。
「久しぶりだら挨拶しに着たのさ。また会いに来るさ。」
「ガルムのことしってるの?」
「ああ、こいつか。こいつはな、一言で言えば狼さ。五歳だった頃に両親を殺され施設に引き取られるがこいつは自分の特殊能力を制御できない上に狼のように狂暴な性格も持っていた。だから旅人になった。そうだろ?狼君?」
「黙れ!」
張り詰めた雰囲気が漂っていた。
<解説>
狼はしょせん狼で人にはなれないのです。

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